①市場主義:原価主義
利益を出すためには、原価をできるだけ下げることが
重要である。(原価=経費+労務費+材料費)
原価に利益を上乗せして売価を決めてはいけない。
○・利益=売価-原価 ・・・市場主義
×・売価=原価+利益 ・・・原価主義
「価値(Value)と価格(Price)を混同してはいけない」
価値を決めるのは顧客である。
②生産技術:製造技術
生産技術とは、ある品物をつくる技術である。
対して製造技術は、設備・人員・材料等を
うまく使いこなす技術である。
・生産技術=固有技術
・製造技術=管理技術(マネジメント)
知恵を出すこと(改善)により、能力は無限に拡大される。
「原価を変えるのは製造技術」
能力不足・人手不足は改善で変化できる。
③動く:働く
「動く」は物理的に動作をしているだけで、
付加価値が加わることで「働く」になる。
工程を進める動作、ムダが少なく効率の高いことである。
工程を進めない行動(ムダ)を排除し、
人間が出したエネルギーを有効な仕事に
結びつけなければいけない。
働き / 動き=100%
「合理化で労働密度を高める」
④効率:能率
ムダを省いて「効率」のよい生産を行うことで、
結果仕事の「能率」があがったという。
・効率・・・使った労力に対する仕事のはかどり具合
・能率・・・一定の時間内にできあがる仕事の割合
能率=生産量 / 人数
上記の場合、生産量を増やすのでなく、人数を減らさなければ
真の能率向上とはいえない。
「工数低減し能率向上」
⑤モラル:モラール
・モラル(moral)・・・道徳・倫理
人として守り行うべき道
・モラール(morale)・・士気や志気、意気込み
ある目標を達成しようとする意欲・態度のことです。
(モチベーション=個人、やる気を出す動機
モラール=団体・組織、やる気が出た状態)
「改善活動でモラール向上」
1 字違いで大違い! 注意しましょう。
⑥稼働率:可動率
「稼働」は利益に直結する指標であり、
仕事をすることを意味し、100%を超えることもある。
「可動」は正常に動かせることを意味し、
100%が理想であり、目標にしなければいけない。
・稼働率(カセドウリツ)=生産時間 / 操業時間 %
・可動率(ベキドウリツ)=正常運転時間 / 総運転時間 %
やらなければいけない仕事は必要なタイミングで行う。
「稼働率は売行きで決まる」
⑦平準化:標準化
・平準化・・・量と種類を数値化し平均化すること
計画も平準化が必要である
・標準化・・・仕様・構造・形式等を統一すること
標準作業(作業の組合せ)は生きていて、常に未完で、
いつもつくりかえられる課題を持っているもの。
常に作業改善を心掛け、改訂を繰返していくことが大切。
「誰にでも簡単に守れる標準」
⑧自動化:自働化
・自動化・・・単純に作業を機械化すること
・自働化・・・機械に使う人の知恵を付けること
機械が自動的に加工するだけではなく、
何か異常があれば機会がそれを感知し、
自動的に停止することが大切である。
「人も機械も異常があれば止まる」
⑨作業改善:設備改善
・作業改善・・・ルール決め、再配分、置場の明示等
・設備改善・・・装置の導入、設備の自働化等
作業改善(仕事のやり方)から取組まなければ、
ムダを省く→作業の再配分→人を減らす
設備改善もうまくいかず、改善目標(原価低減)が見失われる
自働化することが目標ではない
「現有設備で一番良いやり方」
人を中心に考えましょう。
⑩省人化:少人化
省力化 ・・・・・・能率を上げる
⇓
省人化 (ショウジンカ)・・人工を減らす
⇓
少人化 (ショウニンカ) ・・定員制の脱却
生産量の増減に応じて最も少ない人数で対応
標準作業・多能工・柔軟なレイアウト変更等
「諦めず知恵を出す」
改善は結果が大事、根気よく取組みましょう。
⑪押込み方式:引取り方式
・押込み方式・・・工程別生産計画があり、これに基づいて生産する方式
作業済品を、後工程の要求に関係なく押し込む
・引取り方式・・・後工程が、必要な物を必要な時に必要なだけ、
前工程から引取る方式
⇓ 顧客の要求をもとに生産計画を立てる
造り過ぎ・在庫のムダが生じない
「最終的な後工程は顧客」
⑫改善:改良:改革
・改善・・・悪いところを改め良くする(創意工夫)
・改良・・・不十分なところを改め良くする
・改革・・・制度を改め変える、ルールを変える
似ているようで、ちょっと違う!言葉です。
顕在化した問題を改善!発想を変えて改革!
「改善・改善の積み重ねが改革を生み出す」
⑬能力:脳力:悩力
「Man hour(工数)の計算は出来るが、その結果
「人不足だ」「やれない」と判断するのはいけない。
Man powerは決しておし計れるものではない。
知恵を出す事によって、能力は無限に拡大される。」
『トヨタの現場管理』(門田安弘著・日本能率協会)
能力不足は、脳力(悩力)不足!
自分の頭で考え編出していく習慣を付けましょう!
「悩んで脳を活性化」
悩むと知恵が飛び出してきます。
⑭進化:深化
・進化・・・変化に対応し変わっていくこと
・深化・・・物事を深めていくこと、レベルを上ること
「しんか」という言葉には、上記以外に
「新化」「真化」「身化」「心化」等があります。
進化する時、思考や人間が深化しなければいけないし、
深化すからこそ、人が進化できるのではと思います。
しかし、何でも変化させれば良いということではありません。
「変化させるモノの見極め」
「整理」で判断力を養いましょう。
⑮ムダ:むだ:無駄
・ムダ・・・見えるムダ(例:トヨタの7つのムダ)
その動作が付加価値を生まない
・むだ・・・見えにくいむだ(例:纏め作業・纏め運搬)
仕組みから発生する
・無駄・・・見えない無駄(例:売れる前提の設備投資)
経営全体を損なう
ムダがむだを生み、無駄にならないようにしましょう!